いやー、人気ですね進撃の巨人!!

実はここ数日、進撃の巨人の事ばかり考えていました。
しかし、萌えとかではないほうにですが。
自分の中でなんとなく納得いかない部分があって、それをいろいろ解消して回りました、立体機動で。
ということで、折り畳んで、大変長く、進撃の巨人に対して考察というかただの悪口というか、いろいろ思うところあってそこそこ悪く書いております。
現在アニメを見ていてネタバレしてほしくない方、楽しく見ているのだから水を差されたくない方は、そのままこの記事はスルーしていただくのが良いかと思います。
ただ、私も割と楽しく漫画は読んでおります。ということで、折り畳んで。
拍手ありがとうございます!!!!
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昨今、アニメが始まった「進撃の巨人」ですが、Pixivや手ブロのランキングなど見るともなく見ていると、足にベルトを巻いた若者の絵がたくさん上がっています。これは人気のサインです。とても人気があるんじゃないかと思います。
先日、同僚から、進撃の巨人のアニメを勧められました。私は原作途中挫折派で、その人もそれを知っているのですが、それでも勧めるので「アニメはどこがいいの?」と尋ねたところ、
OPが厨二っぽくて、エヴァオタの自分には最高だ
というようなことを言われました。ぜひ一度オープニングを見てくれと言われ、MADとかたくさん作られてるというのも聞いて、いざ見てみたら、ほほうこれはなるほど、と膝を打つ感じでした。
曲のスピード感と歌唱法、バックに流れるコーラス含めたサウンド全てが「歌ってみたっぽいニコ動文化の最先端(一方大変ダサい)」であり、かつ明朝体の文字がたたみかける演出はエヴァのようでもあり、物語の絶望感と大変親和性もあって良いオープニングだなと思いました。ちなみにダサいは褒め言葉だと思ってください。
ちなみに、アニメについても、諫山先生のあの画風wを大変綺麗に整理した上にキャラクターの個性を出したキャラメイクも素晴らしいし、私が一番あのアニメで感動したのは、空と雲のたそがれ具合と低い太陽に照らされたような登場人物たちの陰影の色です。あれはアニメじゃないと出来ないことなので、アニメーターさんたちの志の高さに敬服します。
それでもなお、やはり私はこの物語のどこかに納得がいかない。たぶん、私が納得がいかないものをたいへん多くの人たちが何の問題もなく甘受できている事実が、落ち着かない。それと同時に、自分も楽しみたくて、楽しめている人に嫉妬している。そんな気分なのです。
原作本を持っているのに読むのを辞めた自分がいて、辞めても一応買い続けていて、諦めたくても諦められないこの謎の気持ちに、先日とうとうはっきりとした答えが出ました。
1年前、諫山先生が、ある有名ブロガーと内容について議論を交わした記録を発見しました。
有名な話かもしれませんが、一応載せておきます。
【やまもといちろう】
『進撃の巨人』の「調査兵団」による偵察作戦が酷すぎる件(抽象的ネタバレあり) ↓
【諫山創】
今から最高にみっともないことをする ↓
【やまもといちろう】
『進撃の巨人』の作者の方からまさかのマジレスを頂戴したので ↓
【諫山創】
良いインターネットをしたと思う最終的に大団円、というところがほんといい話なんですが、まず、やまもといちろうさんというのは、たいへん…こう…頭の最高に切れる、底意地の悪い大人、といいましょうか、ファンも多いが敵も多いというか、ネット時代において大変切れ者の論客といったイメージで私は捉えています。
一方の諫山先生は、漫画家になりたい若者が死屍累々の現代において、シンデレラストーリーを体現した方です。進撃の巨人を持ち込みした某J誌から、うちに載りたいなら絵柄を変えろといわれたが描きたいものがあるからとマガジンに持ち込み、そこで佳作をとって、4年後に連載を開始し、人気連載漫画家となるという、若い頃誰しもが願う「自分を信じてがむしゃらに進んで結果を出した自己実現」を体現されておられます。そこに、自身で危うさを感じられているからか、インタビュー記事やブログのタイトルなどから見ても、俺って痛いッス!という保険をかけ続けてなんとか踏ん張っておられるような気もして心配だったりもします。とりあえず本当に綺麗に進撃の巨人が終われば、先生も一息つけるんじゃないかなーと、勝手に親戚のおばさんのように親戚しています。なぜなら、
先生はモノノフだからです。あ、あんまりどうでもいいですが、この先生の「伝説」についてJ誌を嗤う阿呆がいますが、私はJ誌は全く落ち度はないと思っています。ブランドを守ることの大事さと、内容の合わなさみたいなことで言えば、現在においてもさっぱり諫山先生はJ誌向きじゃない気がするからです。
このような両者のやり取りに、私のように口を挟みたくなるタイプの人間はどちらのファンにもいると思うのですが、やまもといちろうという男は山師ですよ諫山先生!相手にしないでください!みたいなつまんない事を言うやつは豆腐の角に頭ぶつけたり馬に蹴られてしまえばいいと思います。問題はそこじゃないし、やまもと氏は慇懃無礼にニヤニヤしながら、心底楽しんで進撃を読んでいるじゃないですか。問題提起した人が死刑囚でもお坊さんでも八百屋のおっちゃんでも関係ない、みんな同じ作品を好きで読んでて、それぞれの楽しみ方をしているっていうだけだし。好きな作品に対して批判をされると、それだけで「嫌なこと言われた!けなされた!喧嘩を売られた!」と勘違いする人が最近多いように思うのですが、批判というのは議論を産むので、批判した人に聞く耳があるなら、反論して、盛り上がればそれが最高じゃないかと思うのです。
そういう意味では、ほんとに美しい形でまとまったなと思うのです。そもそも、やまもと氏に口で敵う人なんかそういないので、諫山先生はほんとに愛されキャラでよかったな〜と思いました。
この両者の意見を読んで、私は私がモヤモヤとしていた部分が相当晴れたのです。
たぶん、私がモヤモヤしていたのはやまもと氏が細かく例を挙げ続けていたことをぼんやりと感じていた部分です。つまり、「こいつら人間なのに工夫しなさすぎ」っていう問題です。「犬死にだ」とか「無駄死にはしないッ!!」とかいろいろ言ってる割に、結局被害が大きすぎるんです、毎度毎度。と、言っている私もやまもと氏も、そこに物語の謎が絡んでいるかもしれない、ということは百も承知しています、たぶん。強大な誰かの思惑で、彼らが戦地へ繰り出させられている可能性はもちろん分かっていながら、でも、さすがに現場レベルでも、もーちょっとなんとか出来るだろこの戦略、と思ってしまうのです。
私は、先生からの返事を読むまで、「ま、終わってみたらなるほどあの違和感の全ては、物語の大きな謎と関わりがあったのだなあ〜」で納得出来るものなんじゃないかと思っていたのです。が、先生がはっきりと「巨人は獣害みたいなもの」と明言したり、人間が負ける話の方が面白いからなんて言うのを見ていると、あ、もしかしてそもそも考えてなかったのか?と思ってしまうんですよね。
こういう細かいことを言い出すと、必ず「そういうヤジはいいから、作品を楽しめ」的なことを言われがちですが、私は人一倍物語に感情移入するから納得いかなくなります。自分が調査兵団に入ったら、捕まった後の離脱法をみんなでもっと訓練するとか、足から食われること多そうだから装備をもっと良くするとか、しょっちゅうガス欠になる立体機動の、ガス補給の方法をもっと工夫するとか、何か行動しそうだからです。だって仲間を殺したくないとエレンと同じくらい私も思うからです。私ごときがそう思うんだから、100年も閉じこもってた間に誰か何かもっと思いつくんじゃないか?そっちのほうが自然だと思うんです。
戦争の為の軍隊だろうと、防衛の為の防衛軍であろうと、そこには規律と統制がなければだめで、なぜだめかというと指揮する人がいないとミッションを遂行できないからです。なのに、巨人と対峙すると必ず人間側は皆パニックになって、一度としてまともに作戦を遂行しません。私の読み方が間違っていなければ、指揮官が最初に死んだり、怯えて動けなくなったり、圧倒的に食べられちゃったりします。そして残った数人で、勝手に考えて勝手に動いてるっていう。これってどう思います?軍が下手打ってるか、そもそも人間で首切りに行くという形自体が間違ってるとしか思えないんですよね。(巨人との本当の意味での戦いは5年しか経っていないとしても。)
戦争ってどんなものであれ、情報をちゃんと整理して握った方が勝機が上がると思うんですよ。あの人たち何にもわかってないことばっかりなのに、立体機動すごいからなんとかなる、ってだけで現場に100人とかぶっ込んでるんですよ。あれ勝率低すぎませんか?
そういう、設定の隙間を突くようなツッコミに対して「それじゃマンガとしての面白みに欠けるし」とか「そこを敢えて見ないのがマンガの楽しみ方でしょ」みたいな返答をするのは、ベルセルクとか、十二国記とか、皇国の守護者とかに失礼です。もっとありますけど、作り上げた世界観の中に、ツッコミの予想をある程度立て、それに一応の答えを用意しておく、これは魔法でなんとかなります、っていう回答だってかまわないから、アリバイは基本的に全てにおいて立てておくべきです。
その意味で大変苦しいのは、やまもと氏も指摘していましたが、この漫画の花形ともいえる「立体機動」なんですよねーー。肉弾戦のためにあるようでいて、あの技術は大変高い文明にしか作れないというのが苦しいです。どう考えても、被害が大きくなりすぎる直接攻撃より、あんなおっかない謎の生き物に近づかないでいい武器が作れる技術があるなら、必ず普通はそれを作るはずで、それを作る事が出来るのは謎を抱えた工場都市のみ、という説明は苦しい。立体機動の整備自体は自分たちで出来るのだから、誰かが超硬質スチールの歯を立体機動のロープの先に結わいて射つ、ということくらいしてしまえるはずなんです。
ふと思いましたが、この作品の軍事行動の部分での粗を指摘したくなるのは、あまりにも作戦が失敗してるからなんじゃないかと思うんですよね。ちょいちょい勝ってれば、フーンその謎の陣形とかでも何か合理性があるんだな、と思えるのですが、ほぼ100%の確率で失敗してるから悩ましくなるんです。少しは人間も勝てばいいのにな。
先日、テレビを見ていたら、日本好きの外国人の人たちに街頭インタビューするコーナーをやっていたのですが、ある外国人の女性に好きな漢字はなんですか?と質問したら、『益』と答えました。
なぜですか?と問うと彼女は、すっぱいものを食べて顔をすぼめてる絵に見える、外国人はだいたい漢字を絵だと思ってる、と答えました。ちなみにその後彼女は益の字を書いてみせたのですが、見事に三画目の横棒を書いてませんでした。
私たちはそういうのを聞いた時、やや嬉しく微笑ましく、にこにこと話を聞きますよね。部首が狂っていようが絵みたいだろうが、日本語に興味を持ってくれているっていうだけで嬉しい。
本当に失礼かもしれませんが、諫山先生の書かれる国家レベルの軍事行動というのは、この外国人の書いた益に近いと思うんです。
ぱっと見た目には益に見えるし、まず興味を持って漢字を知ってくれて、本当の意味で日本語が分かる人にとっては気付かない新しい捉え方で漢字を捉えている。だけど、圧倒的に成り立ちだったり意味としては間違っている。
ただ、それをこれこれこう違ってますよとわざわざ外国人に漢字を知る人はいちいち指摘しに行かないんです、普通。その発想に驚いたり笑ったりすることで済むんです。
上のブログの件は、そこを敢えていちいち書き順からはね払いから象形文字からの流れまで全部説明したようなものです。わかってるはずです、そこが大事なんじゃないというのは。
意外だったのは諫山先生がマジレスしてくれたということで、先生の真摯な態度は胸を打ちます。たぶん本音じゃあ2回目のお返事の時だってかなりキレてるとは思いますけどねー。あんまり、漫画的見せ方のせいでああなっちゃうんだよね、という言い方は個人的にはしてほしくないなーって思いますが。
私の頭の中で靄のかかっていた疑問点はやまもと氏のブログではっきりし、そこに先生が回答されていたのを、1年も前のやりとりで知り、なんだかすっきりしました。あとこのブログに書いてアウトプットするとだいたいすっきりするので、これで完璧だと思います。
とりあえず10巻まで一気読みしましたが、今後も巨人の謎、すごい興味深いです。楽しみ。
ま、ちょっとアレな巨人増え過ぎっていうのも思いますけどねー、しかも小さいコミュニティの中で…。
それもこれも、全て100年前の人類を牛耳る何かのせいだということになるのかと今から楽しみです!
アニメはどこまでやるんでしょうか。今の段階でやっと4巻か5巻ですね。巨木の林の戦闘場面とか描いてたら超回数かかりそうです。
あ、それにしても、コミックスのカバー外したとこのあの古代文字?がアレっていう件は、それにしても…厨二が考えた最高にかっこいいやつっぽくて面白いです。最高です!!
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