前回書いたことがかなりグダグダ長文だったもので、後ですごくいろいろ後悔してたりしたんですけど、拍手押して下さる方がいてくださってほんとありがたかったですありがとうございます!!
いや、続きを読む、と間違えて押してる可能性も捨て切れないですがwwww

若干照れながら左之助描いてみました…あの原作の髪型がどうもむずかしい…!!
映画にも原作にも似てねーし!!すいません…。
そういえば、漫画原作実写化って他に何があるかなーって思いつくまま比較的最近のやつを上げてってみようかと思うのですが、
・テルマエロマエ
・デトロイト・メタル・シティ
・宇宙兄弟
・ホタルノヒカリ
・BECK
・20世紀少年
・ヒミズ
・僕等がいた
・ワイルド7
・DEATH NOTE
・あしたのジョー
・はちみつとクローバー
とりあえずざっくり映画ばっかりですけどね。こう見るとけっこうヒットはしてますよね。
全部は観てないですけど、なんつーか「ヤヤウケ」みたいな感じが多いような…。
どれもやっぱり原作をなぞるだけになるか、若干はみだしても「その映画自体が面白い」というところには至ってないし、至る気もともとないだろうなって思うんですけどね。
漫画が何万部も売れてれば、それを買ってる人読んでる人が観にくるだろうっていう見込みの数字が制作者側にはあるわけで、なんかそういうの当てにされてるんだろうなって思うだけで軽く腹立つんですよね〜!www
個人的には、小説ですけど大好きな「図書館戦争」の実写化がひやひやしてます、堂上さんのV6岡田君は全然いいんだけど、郁をやる榮倉ちゃんが…ルックスはノッポでいいんだけど、演技力が怖いなー!!www
あとすっかり忘れてたんですけど、「進撃の巨人」の映画化ってどうしたんだろう、撮ってるはずなんだけど?www
監督さんが「嫌われ松子の一生」「告白」の中島哲也監督ってところが心配っていうか恐ろしいっていうかですけどね!!比較的好きな監督さんだけど大丈夫なのかなあ〜?www剣心みたいに裏切ってくれるといいんですけど…予告が早く観たい!!wwww
それでは、今回も折り畳んで、今度はネタバレ全開の剣心映画の話を書きます!!
毎度のことながら、クッッッッッソ長いです!!!
お暇でしたらおつきあいください〜!!
拍手&コメントありがとうございます!!!!!
・猫虫さん、コメントありがとうございます!何がそんなに気に入ったのかわかんないんですけど、剣心よかったんですよね〜〜〜〜原作ちゃんと全部読まなきゃですよね!!DVDね!DVDどうしようかな〜〜〜悩ましいです!!
[0回]
【ネタバレありの話:剣心=ダークナイト説】
もともとそんなに期待して行かなかったし、期待して行ったら酷い目に会うと思って自分を抑えて行ったわけですが、まーぶち上がりましたよね!!
これだよ!!これが観たかったんだよ!!あらゆる意味でこういうのが観たかった!!
剣心映画が「成功」してる理由は、やっぱりアクションシーンの量と説得力ですよね。
たぶん、アクションシーンてお金とか手間がすごくかかるから、ほんとに削ろうと思ったらたぶんこの映画だったら3シーンくらいで済ませてもいいと思うんですよ。
でもそうしないで矢継ぎ早にどんどんアクションシーンが来るっていうところが、まさにジャンプ漫画の魂を継承してる…のか、とにかくエンターテイメント映画として今までの日本映画に無かった事をしよう!と思っているのか、このことだけでもお金払う価値があると思うんですよねー。
2回目を観に行った時はわりと冷静に見れたんですが、左之助vs戌亥(須藤元気)戦を観てた時に、「ちょっと待てよ…確かこの後、剣心vs外印→ガトリングガン→とうとう剣心vs刃衛なのか!?なげー!!!」って思ったんですよねwwww
フルコースの料理のメインが5皿くらい出てくる感じですよ、もう贅沢!!
こういう贅沢感が実に日本映画の、しかもアクションとかエンタメ映画には足りないと思ってるんですよ。いつも多少食い足りない。
やる気がある人がやる気のあるスタッフ集めて、変に事務所の力とかで出演者決めたりしなければ、やればできるんだ…!!ってちょっと感動すら覚えました。
このアクションの凄さは、いくら説明しても伝わらないと思うので、ほんと観てほしいです!!
…説明しても伝わらないとは言いましたが、やっぱり書いておきたいので書きますがw、アクションシーン(監督がインタビューで殺陣と言わずにアクションと言いたい、と言っていた)は、従来のチャンバラ映画とは大きく違います。
たぶん、ここ最近のチャンバラ映画というと、私は「十三人の刺客」を思い出すんですけど、あれは言わば「生粋の日本映画チャンバラを濃縮した最新の殺陣」なんですよね。物語の構造としては、最初に侍たちが個人的な恨みを燃やし、最終的にお国の為に立ち上がり、計画を立てて半ばからはずっとラストまでチャンバラ。いわゆる殺陣を分かった人たちが考えたあらゆるタイプの殺陣を詰め込んだ映画でした。それはそれで満足するし、たぶんこの方がリアル。いわゆる剣道の延長上にあるであろう剣術でした。
出演者に松方弘樹がいるんですけど、松方さんのチャンバラのシーンがちょっとすごくて、あの人は昔から時代劇スターじゃないですか。たくさんの敵を相手にバサバサ斬るシーンがあるんですけど、剣をひらひらひら〜ってさせて、すごく剣にライトが当たって綺麗なんですよ。派手に見えるし、よっ!待ってました!!て感じなんですけど、リアルな殺し合い映画の中で見るとドえらい浮くんですよね。遠山の金さんだったらいいけど、「みなごろし」って血で書いて殿様を殺そうとする決死の人たちの中では浮く。
でも昔のチャンバラというのは娯楽であって、そのひらひら〜こそが拍手を呼んだわけじゃないですか。でも、今の世の中にみんなが観たいのはこれか?というとこれじゃない。もっとリアルに、もっと無骨でも斬られて痛そうに。今のチャンバラ映画はそういう方向に進化していたわけです。
それでも、チャンバラ映画は低迷してますよね。私は時代劇がすごくすごくすごく好きなので、水戸黄門の終了なんかもかなり戦慄してるんですけど、このまま、チャンバラのノウハウが断たれていってしまうんじゃないかと怖いんです。着物の着付けも、ロケ地も、太秦も、かつらも、小道具も、殺陣の技術も。水戸黄門なんて観てないからどうでもよかったよ、っていう話だけじゃないんじゃないかって思ってるんです。
剣心のアクションは、いわゆる時代劇的なチャンバラの殺陣から逸脱しています。アクション監督が谷垣健治さんという香港アクションの技術を持った監督さんだからです。
今回すごく感じたのは、剣心が斜めの動きをすること。時代劇は剣道なので、直線的な一対一の睨み合いや、横への動きが多いと思うんですが、剣心は斜めに壁を駆け上ったり、頭上の橋の上から斜めに飛び降りたり、弧を描いて走り込んだりするんですよね。これって普通のチャンバラ映画にはない。
これが実に「他の人より圧倒的に速い」「漫画のキャラクター的な異能力の持ち主」を表してると思います。
剣心が漫画のキャラクターだから食い合わせが良かったのかもしれませんが、どっちにしても、ただひらひらチャンバラする映画よりも、現代的にはこっちのほうが面白く見える。お金を払う価値を感じる。そう思う人がいるとしたら、こういう技術も取り込んで、時代劇はなんとか生き残ってほしいです。
しまったまた関係ない話で横にずれた!!
このるろ剣映画の物語について、大きなバックボーンとして提唱したいのが、「剣心=ダークナイト説」です。
「ダークナイト」というのはクリストファー・ノーラン監督が撮ったアメコミのバットマンの映画で、こないだ上映されてたのはこれの続編の「ダークナイト ライジング」です。「ダークナイト」の前段階のが「バットマン ビギンズ」。(一応今現在の)3部作の2部作目に当たります。
この映画で宿敵ジョーカー役を演じたヒース・レジャーが亡くなったことでも有名ですが。
ダークナイトを語るとこれまた長いので肝の部分だけ書きますが、ダークナイトが描いているのは、街を守りたいと思っているバットマンが、正義の為に粛正の暴力を行うと、それがまた暴力を呼んだり、それ自体は悪と同じ行為だったりする。そこに気付いて自分の存在意義に悩むバットマン。純然たる悪(楽しくて悪行をする)のジョーカーは、それをバットマンに突きつけて、お前はどっちなんだ?と問う。片や、正義の側のはずの検事が、正義として振りかざした私怨ともいえる暴力とも組み従えない。ざっくりいうとこういう映画なんです。
この映画は多分アメコミヒーロー映画のなかで今んとこ一番一般に受け入れられた映画だと思うんです。ヒーローとしてかっこいいはずのヒーローを、自分の信念のために揺さぶられる弱い一人の人間の男として描いたところが、今までになかった映画だったんですよ。
実はこの構図って、原作のるろうに剣心ってそのものなんですよね。
剣心自体は、もはや流浪人として平和な世の中で流れていたいだけなのに、彼の力を求めてくる者、邪魔にする者、彼の目の前で暴力を行う者が現れて、剣を使わざるを得なくなる。映画はまさに、そこに原作より強く焦点を当ててってる感じですよね。斉藤一と山県さんは、その人斬りとしての腕を正義に使ってほしいと求めてくるけど剣心の理念とは反する。刃衛は人斬りの本性は人斬りだと突きつけて、理念と暴力の二択を剣心に迫る。
剣心が斬らなくても死んでしまったり、命を賭けてしまう人がいて、剣心が斬っていたら助かっていた命もある、と斉藤一は詰め寄るのは、実際本当にそうかもしれないけど、そこをどうしても曲げられない剣心の信念っていうのは、原作にもたぶん流れている矛盾みたいな事で、すごくダークナイト的。
一方、ついこの間まで常識だと思っていた概念が根底から覆って、それまでは強者であった者が排除されてしまう侍の哀しみみたいなものは、明治維新ものでは常套のテーマで、そこから生まれた虚無感とか憎しみとか呪いみたいな事が、剣を使うことでしか晴らせないし、それもほんの一時的なものに過ぎない(刃衛は剣心以外を斬っているときは哀しい顔をしてる、と吉川晃司さんが言っててなるほどと思いました!)ので、そこからある意味「逃れた」ような剣心に対して、本心はどうなんだ、お前だけ逃がしはしないぞとすがりつくのは当然で、そこをずっと問い続ける刃衛の存在はまさにジョーカーのようだと思うのです。ラストの刃衛の「決着のつけ方」は、死んでもなお剣心にそれを問い続ける意味でも重要ですよねー。それは原作の和月先生も意図してたと書いていたので、やっぱり剣心=ダークナイト説は間違ってないと思います!!wwwww
映画は、実にそこを確信的に作ってると思うんですけど、「お前に向いたその刃は、いつかお前を苦しめることになるぞ」っていう斉藤さんのセリフが、原作になくて映画のオリジナルだっていうところがしみじみダークナイトっすなぁ〜!と思ったりしました。あのセリフかっこいい!ちなみにパンフレットによると和月先生もあのセリフが漫画で使いたいくらいいいって言ってました!
映画を観て初めて、ちゃんとるろ剣の漫画を読んでみようと思って漫画喫茶に行ってきたのですが、全然全巻読めてなくて歯がゆいんですけども、4巻くらいまでのところが映画にミックスされている部分かと思います。
が、あんまり知らない私も名前を聞いたことがある御庭番衆御頭「四乃森蒼紫」が、4巻までだとほんとに胸が苦しくなるようなキャラとして登場するのに、映画では登場しない!登場したってまったく違和感ないはずなのに!
そして、人気キャラとは知りつつも「斉藤一」は原作ではまだ登場しないのに!ほぼ最初のシーンからずっと江口洋介は出ずっぱり!これは一体全体どういうわけか?と。
どうやら、大友監督はこの映画を取る前に「3本」映画を監督するという契約だったらしいんですけど…これは続編クルー???今回をダークナイト的三つ巴構造にするとしたら、ここは斉藤という正義のために剣をふるう人の存在がほしいし、蒼紫の役は般若面の外印に担わせて、続編で改めて蒼紫をどーんと登場させるんでは…?という邪推も生まれるというものです。京都編も今回のくらい気合いが入ったスタッフで見てみたいなー。
ここまで、絶賛の嵐のように書いてきましたが、ほんとのほんとにそればっかり思っているわけでものないんです、特にストーリー面に関しては、結構雑だなあと思わざるを得ないところもあります。
ひとつは、薫の道場と周囲の井戸に毒が投げ込まれる場面で、何故か道場に次々と毒を飲んでしまった人々が担ぎ込まれてくるんですが…明治の頃の剣道場というのが公民館的な役割をしていたという事ならアレですが、物語上は、最近は偽物の抜刀斎騒ぎで人が寄りつかなくなってしまったとされていた神谷活心流の道場に、なぜ頼まれてもいないのに人がわんさか押し寄せるのか?
「町の医者が行方不明」だから「道場に集まる」という流れが不自然すぎる。
たぶん、原作にある恵の「なにしてるの!早く!解毒治療は時間との勝負よ!」みたいなセリフを言わせたいがためにそうなったんでしょうし、外印が恵に仲間だからと忠告しにくるシーン(あそこは複数のキャラを混ぜた『外印』の、中でも一番要素の多い原作の御庭番衆の『般若』が、恵を深く知り彼女に同情的であったという個性がわかる原作ファンへのサービスを含んだシーンだと思う、井戸に毒とか入れちゃうぜみたいなセリフも原作にあったし)の流れからいっても道場で解毒治療をしたかったのはよくわかるんですが…。
例えば、道場の外の道で、医者がいなくて困っている病人を見かけて、町中にそういう人がいるかも!いたら道場へ連れてきて!というような事を言って病人を集める流れにしても良かったわけで、そこを雑に流すのはすごく惜しい気がします。
それから、牛鍋屋の赤べこで、左之助と初対面するシーン。
左之助が思いっきり大声で「おーい!人斬り抜刀斎さんよぉ!!」って剣心に呼びかけるんですけど、周りにお客さんがどっさりいるんですよね。あの時点で、観客や薫は現在指名手配中の人斬り抜刀斎は剣心ではなくて偽物だと分かってますけど、町の人たちは人斬り抜刀斎は指名手配されている極悪人で、その極悪人が神谷活心流を名乗っているから薫の道場を疑いの目で見ている、という状況のはず。そこで薫が抜刀斎と名指しされた人物と牛鍋を食べてたら完全に「あの噂やっぱりほんとだったんだ!」ということになって、その後の周囲の状況は、それこそ解毒治療を頼みにくるはずなど絶対ないほど変化するのでは?
左之助と一戦交えた剣心を引っ張って薫は「さ、牛鍋食べよ?」とかいってお店に戻る神経が謎!!
あのシーンは、左之助が、剣心を抜刀斎だと知っていると伝える、それを通じて観柳が剣心を抜刀斎だと知ればいいわけで、ああいう風に大衆の面前で名前を言わなくても良かったんじゃないかなーと思ったりします。
まあ、あのKYな感じが左之助なんだよっていうのもわかりますが…
あ、牛鍋屋のシーンといえば、フード理論的に最高でしたね~。
観柳は香川照之さんが「こんなやつ死ねー!と思われるキャラにしたい」って言っておられたように実に嫌なやつなんですけど、剣心が牛鍋食べてるとこにきてお金をぽとぽと撒いて「いくらほしい?」って聞いて、お金で動かないと知るやいなや、お膳の上の食べ物を靴で踏みつける!!
ぎゃーっ!!ひどいーっ!!なんという極悪人-!!!
胸がすくような「悪人でござい」って感じがたまらなかったです!!
かと思うと…冒頭の、串だんごのシーンは残念でしたね~~~~…ほんとずっと気になってしまいました。
薫に、指名手配の抜刀斎と勘違いされ木刀を向けられるシーンなんですが、つい先程買ったまだ一口も食べていない串だんごを持ったまま剣心は倒されてしまいます。
私は、薫の木刀なんて本当は目じゃないほど強い剣心なんだ、というところを匂わせる意味でも、あの串団子だけは死守してほしかったです。あるいは、そのまま倒され、ひとしきり会話が済んで薫が立ち去ったあと、ふと振り向いて思い出したように、「あ~!拙者の串だんごが~~~…」と一言言ってくれたらなあ~っていう。
とにかく、剣心はヒーローなのだから、食べ物を粗末にしない流れにしてほしかったです!!
あのだんごを無視できるヒーローは、心から応援できなくなるんだよなあ…。
あ、それと、左之助の、戌亥戦での飲み食いは嫌いじゃないです!!!wwwww
同じものを分け合ったら仲間なんですよ!!本当は精神的には戌亥や外印たちと、左之助や剣心は分かり合えているというのが伝わります!!あそこは良かった!全体的にプロレス技なのもすごい良かった!!www
別に間違ってないけど、気になるシーンがあるんですが。
原作にもある「誰にだって人に言いたくない過去のひとつやふたつある」というセリフは、剣心が薫に心を動かす重要なシーンなんですけど、これを口にする順番が、原作と映画だと全然違うんです。
原作だと、薫がかなりそれこそ唐突に、単なる流浪人だと思っている剣心に個人的な信念としてこのセリフを口にするんです。薫は常々、人の過去をとやかく言う気がないし、ほじくりかえす事に意味はないと思っている子だからこそ、暗い過去を背負った剣心は、薫の事をいい子だなーと思うわけじゃないですか。
が、映画だと、薫の道場が襲われたところを剣心が助けて警察に捕まり、相当濃厚に「この人、人斬り抜刀斎だ!」と分かってから、薫はこのセリフを口にするんですよ。
この順序だと、確かに薫が剣心の全てを受け入れたようにも見えるんですけど、同情とか、軽い気持ちで言ってるかもしれないってここまでサバイバルしてきた剣心なら薫の気持ちを疑ってもおかしくないと思うんですよね。薫が剣心の全てを受け入れるには若干付き合いがまだ浅すぎるし。
映画としてはいいシーンなんですけど、剣心がこのセリフで薫に心を留めるわけだから、順番大事じゃないですかね!?細か過ぎますかねwww
薫が道場に入るときに一礼する、ああいうことがすごい薫のパーソナリティを表してて、あれがあるから剣心が薫に対して尊敬の念を持つ風に見える描写はいいですよね。あーいうのがあるんだからセリフの順序とかどうでもいいって言われればまあその通りなんですけどwww
ま、いくつか文句も言いましたが、そんなこと観てる間に忘れちゃうほどのアクションのたたみかけが凄いので、どうでもいいといえばどうでもいいんですけども!
最後に、画面づくりについて覚え書き。
見てて最初に思ったのは「画面に人がいっぱいいるなあ」という事でした。
これが存外大事で、主人公たちさえいれば映画に華がある、みたいに思いがちなんですけどそうでもなくて、リアル感とボリュームっていう意味でいうと、いるべきところに人がいる、というのがすごく重要だと思っています。
前に、某お嬢様刑事と暴言執事のドラマがあったときに、私が一番ガッカリしたのは主人公の演技力とかではなくて「金持ちでお嬢様で執事までいる設定なのに、屋敷にお嬢様と執事しかいるように見えない」っていうことでした。殺人事件も起こるんだけど、被害者と容疑者しかいない。
くわしいことは知りませんけど、タダで集めたエキストラにだって衣装は着せるしロケ弁とやらも出すでしょうしね。節約しようと思ったらエキストラなんかいないに越した事ないじゃないですか。
話を剣心に戻すと、街の中を逃げて行く剣心と薫が、ちょっと違和感あるくらい人にひっかかったりするとか、薫が警察に剣心を迎えに来て、良きセリフを喋っているときに後ろに天秤棒?みたいのを背負った人が通ったりするとか、本当にそこに街があって人がいて、その中で剣心と薫がいる、という感じがするのが凄いなと思いました。
剣心vs左之助のシーンも、人が店から出て集まってきて見物している感じがすごく良かったし。
あと、一番個人的に好きだったのは目の見せ方。
剣心が前髪の間から見せる目の、生き生きしていたり死んだようだったりする表情とか、刃衛が、笠で目を隠している時と目をガッと見せるところとか、そういうことですごく説明しないようで説明してることが多くて良かったなあ。ベタかもしれないけどああいう表現好きです。
剣心の顔の傷の理由のひとつの、若いお侍とその婚約者を見ている時の雨の中の剣心の目ね!!あそことか、剣心がほとほと人を斬るという行為に嫌気がさしていく様がありありと見えて良かったです!
変にモノローグ入れたり、俺はあの時ああ思ったんだ!みたいなことをセリフで言わせたりしないで、ちゃんと時間を取って表情だけを見せるシーンがある、っていうだけでもこの映画の志を感じますよ!!
というわけで、たぶんこれで思ったことは全部書けたと思うのですが、まあ長い…長いですねー…
でもほんとに、私はここまで裏切られなかった実写映画化は久々だと思うので、みんな観てみてほしいなぁ〜
そんな言うほどじゃないよってガッカリされてもしょうがない面もなくはないですけど、受け止めますので!!
みんな大好き志々雄様とかのとこまで映画が続くなら、このテンションが下がらないでほしいものです。これが3部作完結!とかまでいけば、名作になりますよ!!!
本当は、「桐島、部活やめるってよ」の話も書きたいこと山のごとしなんですけど、ちょっと急いでやらねばならないことが出来たので、それは桐島のDVDが出た時にでも再度観て、書こうと思います…。
いやーそれにしても、この夏は映画がいっぱいあって全部楽しくて良かったなぁ〜。
PR