短大に行ってたときの話ですが、友達がどこぞから、「自分に影響を与えたものをすべて書き出すと面白いよ!」という話を持ってきました。
友達は嬉々としていろいろあげていましたが、私はあまりに自分が影響を受けたものの幅が広すぎて、そんなパッと出てこないなあと思ったりしたのでした。
でもいつもこの、影響を受けたものリストについては考えていて、あの考え方はあそこから、これが好きなのはあそこから、と思ったりなんかしています。
なんかふと、そういうものを挙げて自分でホヒホヒしたいなあと思ったので、挙げていってみます。
…と思ったら長くなりそうだったので、折りたたみました。
横顔を描くのは楽しい~
最近ちょっとガトリーを描きたいなと思っていたのでガトリー。
鎧はまだ全部着ていない。

こないだ母親の買ったSMAPのムック本みたいのを見てたけど、香取慎吾はガトリーぽいと思う。
…ん?逆の言い方の方が正しいですかね??
ああいう顔だと想像しているのですが。
拍手ありがとうございます!!!
[0回]
【保育園~小学生時代】
・安野光雅母親によれば、父親は子供に絵本をたくさん買い与える教育をしたい!と思っていたそうで、なにかにつけて買ってきては与えていたらしいのですが、何せ私が大好きだったのは安野光雅先生の絵本です。
緻密で繊細、かわいくてほんわり、トリッキーでドライな感じが最高です。
この、「ふしぎなえ」はエッシャーのような絵を分かり易くしたような感じで、自分が中に入り込むかと思うくらい読んでました。
・「りぼん」私は小学校時代のほとんどを、まじめに毎月「りぼん」を買って過ごし、いつか投稿するのだと心に誓う250万人乙女だったのであります。
もちろん、上に挙げた人以外にも人気作家はたくさんいましたし、さくらももことか岡田あーみんという伝説の連載陣もあったりしたわけですが、それは絵の影響というより、人格形成に影響したので、ここでは割愛。
上の中のでも特に私が好きだったのは萩岩睦美さんで、萩岩先生といえば「銀曜日のおとぎばなし」が超有名ですが、私が読んでた頃連載してたのが「パールガーデン」で、そりゃあもう人魚の女の子にキュンキュンしていたのであります。長いこと、付録の便箋を持ってた気がします。
・高橋留美子まだ、原作漫画とアニメの差をわかっていなかった当時の自分にとって、うる星はアニメがすべてだったのであります。ラムちゃんは最高に可愛かったなあ…。しかしまさか、コミケというところの代名詞のような存在だったとは知る由もまだ無かったのであります。
・手塚治虫いわずもがな。
うちにコミックスがいっぱいあったのは、父親が手塚治虫が好きだったからです。いまだに影響を受けます。
【中学生時代】
・アルフォンス・ミュシャ今考えればなんとも厨房チックな…とも思わなくもないですが、中学一年のある日、新聞に白黒で載っていたミュシャの絵を見て、雷に打たれたような衝撃を味わったのであります。その時から今まで、薄れることなく私の人生にどっしりと根を張ったミュシャという画家さんの、古くならないイラストレーターとしての才能と、アールヌーボーの普遍的な美しさに、陶酔してやみません…。ミュシャに出会ってなかったら絵の勉強しようとか思わなかっただろうなあ!
・安彦良和私はヘモい絵描き部に所属していたのですが、その部室にポイと置いてあった誰か先輩の本であろう、アリオン。熱中して最後まで読みましたが、あの寸分狂わない素晴らしいデッサン力に感動したのであります。
・佐々木倫子りぼんを卒業?した私が、ヘモ漫画部で花と夢やウィングスを借りて読むようになって、心底惚れ込んでしまったのが佐々木倫子ですね~。動物のお医者さんはほんとに衝撃でした!!でも、この忘却シリーズとかペパミントスパイとか、ほんとに佐々木先生のギャグセンスは最高なんだよなあ…!!絵も、当時の少女漫画からしたら可愛いとか綺麗な人を描きたいんじゃなさそうな感じがすごい珍しかったし、私はコマとセリフで構成する笑いの間合いを絶対この方から学んだと思うのであります!
・天野喜孝この頃からゲーム同人にハマり始めた私は、天野さんが好きで好きでたまらず、画伯が挿絵を描く本をかたっぱしから読んでおりました。天野さんが絵を描く小説は、ほとんどファンタジーなので、天野さんにひっかからなければこれほどファンタジー世界好きな人格にはなっていなかったであろうと思うのです。
ヴァンパイアハンターDの挿絵見たときはほんと痺れたな…!!
・品川るみどこにも絵が表示されている商品が無いので、他所のブログ様より引用させていただきます。


私は当時から偏屈で、ファミ通のジャンプ放送局的なノリに途中参加することが出来ず、そしてなぜか学校の近所の文房具屋でファミ通より安く売っていた、「ファミコン必勝本」(通称ヒッポン)を飽きずに買い続けており、そしてどういうわけかヒッポンではウィザードリィ押しという、編集部の意向なのかなんなのか、ずっとそういう洋ゲー押しみたいな一面がありました。
その、ウィザードリィの攻略特集の表紙を描いてらしたのが品川るみさんでした。
品川るみさんのイラストの、生身の人間から少し装飾へ逸脱した感じのファンタジックな絵が、ミュシャやクリムトのようで好きだったんだと思います。表紙をされていたダールワスサーガという3部作の本(これは素晴らしく面白いのであります)と、画集を探して買いました。それがアリスの電脳遊園地なのですが、全面絵のような中に吹き出しがある、ちゃんとした漫画になっていて、最後に品川るみさんのイラスト集も付いていました。
その後、すぐに仕事を辞められたのではないかと思うのですが、現代のネット時代において全く情報が出てこないとは…本当に影響された人なんですけどね。画集は大事に保存していきます。
・高野宮子影響を受けた、のに、さほど高野さんのことを存じ上げないのです。
というのは、私がヘモ漫画部にいた頃、腐った方の同人誌界では、キャプ翼→聖闘士星矢→サムライトルーパーと人気が移行しており、あまり腐れていない私を置いて、周囲は当麻だ征士だと騒がしかったのであります。そんな折、私がどうかして、高野さんのサムライトルーパーの同人誌を読み、素晴らしいと感激していたところ、…自分で買ったのか、人に買ってきてもらったのか、「星ノ棲ム川」という、ほぼストーリーはオリジナルで、サムライトルーパーの当麻と征士が恋をするお話の本を買いました。このお話が悲恋で、ひどく美しくて、たぶん私の悲恋好きはここがルーツなんではないかと思ったりします。
・高河ゆんがゆん先生は、中学2年の時に引っ越してきた女の子がひどく好きで、たくさん本を貸してくれたのであります。先日すけそうさんも影響されたと話していて、私は顎から首のラインにかけてが高河ゆんだ!と言ったら、すけそうさんは目から赤い涙が出るところ、と言ったので爆笑しました!!しかしこの、インクを使った滲みとか、すごいい影響されたなあ~。あと、人体をざっくりシルエットにしちゃうという手法も習ってしまったかもしれない。これはいかんなあ。かっこいいんだけどなあ。
・CLAMPCLAMPが同人界をにぎわしているというのを姉の友達から教えられて便箋をもらったような…?
あれよあれよという間にプロになっておられましたが、こんな絵描ける人がいるんだと思ってびっくりしたなあ。
あと集団で一つの作品作るというのも。私が見ている最中にどんどん人は抜けてってましたけど。
・ますむらひろし↑これではないんですが、本屋で6冊シリーズで売られていたアタゴオル物語という朝日ソノラマから出てた本の装丁が綺麗で、うっかり買って、そのイーハトーヴ的世界にすっかり迷い込んでしまったのですが、ガロ出身の漫画家だから…というのかなんというか、常識的な漫画から逸脱したすごい世界観なんであります。私が買ったものは初期作品の集大成のようなものだったみたいで、最近の絵柄よりもの凄く荒々しくて怖い感じなんですが、そこがまた凄く良いのです…。デブ猫のヒデヨシがとても可愛いです。性格悪いけどなー
【高校以降】
・M・C・エッシャー姉がエッシャーを好きになって、よく見ているようになったので影響されたと思いますが、エッシャーは素晴らしいですね、ほんとに!!モノクロの版画のような絵が好きになったのはこのへんからかもしれません。
数学的な知識が絵に活かされるというのを思い知って、いろんな知識があることは良いことだなー、いろいろ勉強しなければ…と思ったような気がします。
・大友克洋
もちろん「AKIRA」は知っていたのですがそれまではそこまでドーンと影響されてはいなかったんですが、この映画「MEMORIES」の中の一編、「大砲の街」にすっかりやられてしまいました。絵柄の、かわいいんだけど毒のある感じと、一枚絵でアニメーションを見せるとか…凄すぎる!!ちなみに、「彼女の想いで」の美しさも大好きでした。今敏さんのこと、残念でなりません…。
・浦沢直樹高校時代は友達からスピリッツを借りて読むことが多く、YAWARAはほんとに面白かったです。浦沢直樹の、いろんな顔の人を描ける能力に感動しました。とはいえ、メインの男女の顔はどの漫画でも一緒なんだけど(笑)お年寄りの顔が上手い人が好きなのかもしれません。佐々木倫子しかり。
・今市子高校の時分は、私は死んだような暮らしをしており、記憶もさほどないのですが、少ない友達の一人がわりとオタクで、やけに私に絡んでくれていたのですが(私が絵を描くのを知っていたので)、彼女が「この作家さんの本は全部通販する」と言って同人誌を見せてくれたのが今市子先生の、明治時代というか大正時代みたいな、大きなお屋敷に住む一族の話で、すごく素敵だったんであります。ほしいなあーと思ったなあ。赤毛の風変わりな男の人がいて、一族の人々は腫れ物扱いするんだけど(座敷牢に近い感じで隠してたような)でも、その人は絵がもの凄くうまいのであった…かっこいい!!その匂いが百鬼夜行抄にも残ってて、素敵なんだよなー…。
・エドワード・ゴーリー成人して以降一番影響された人かもしれません。
モノクロの世界で、奇妙な空気が流れる絵本です。よく「子供だけでなく大人も楽しめる絵本」という言い方がありますが、ゴーリーさんの本は「大人しか楽しめない絵本」です。
ギャシュリーグラムはその中でも最凶ですね。AからZまでの頭文字の名前を持つ子供の、死因がずっと描いてあります。っていうと怖いんだけど、いや本も怖いんだけど(笑)シニカルというか、黒い笑いを理解できる人であればすごくグッとくるはずです。
舞台美術なども手がけていたゴーリーさんのセンスはほんとに素晴らしいのです。家に絵をいっぱい飾っております。
・ノーマン・ロックウェルノーマン・ロックウェルのように縦横無尽にリアルタッチの絵が描けたらどんなにいいだろうと夢想することがあります。一度、単なるシャレのために模写したことがありますが死ぬかと思いました。その模写の為に買った画集は宝物です。アイディアも描写力も凄いです。思想が反映された絵もあって(ミュシャもですが)、見ていると、イラストレーターは単なる資本主義の奴隷でいるばかりでなく、芸術家たれ!という気持ちになるのです。
・レンブラントレンブラントは有名な画家でありますが、その黒の使い方とハイライトの挿し方はイラストチックといいますか、漫画や絵を描く人みんなが学ぶべきだと思います。レンブラントについて教えられた時にすごく感動したのを覚えてます。黒い服を着た人の、ボタンに当たった光だけを、ぽつん、ぽつんと白っぽく塗ってあるんですが、それだけでそこにボタンがあるのだ、と見ている人が分かるくらい的確に光を描いているというのが、ほんと凄かった。
てなことで、他にもいっぱいいると思いますが、とりあえず思い出せるところを絞り出してみました。
絵画展なんか行ったらどの人にも影響されて帰ってきちゃうんですけどね。
みなさまも、一度「影響された人リスト」を作ると楽しいですよ、いろいろ思い出せて。
PR