私は元来、辛い食べ物が嫌いでして、ほんとはカレーとかも甘口じゃないと嫌いだったのですが、大人になるにしたがって、唐辛子系のスパイシーなものは想像してるよりも苦手じゃないということに気がついてきました。
ベトナム料理とタイ料理だと、はるかにベトナム料理のほうが辛くないので好きだったんですが、ある時、職場の近くにワゴン車で現れるお弁当屋さんが来るようになって、そのお弁当のメニューにあったのが、『トムカーガイ』です。

とむかーがいって言われても、日本人としてはなにがなにやらじゃないですか。
トムヤムクンは知っていても、トムカーガイは知らない人が多いでしょうし、トムヤムクンだって名前しか知らない人もいるかもしれません。
トムカーガイは、白いスープです。白さはどこから来るのかというと、ココナツミルクです。
トムヤムクンは辛くて甘くて酸っぱい感じですが、トムカーガイは酸っぱくて甘くて辛いです。
ということで、トムカーガイを探す旅をした(いや、現在進行形か?)話をつらつらと折り畳んで。
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[5回]
先ほど書いたお弁当屋さんは、お弁当屋さんの縄張り争いに破れ(というか、勝手に使ってたから追い出された感じ)その後現れなくなってしまいました。
トムカーガイを食べたくて困った私は、その後一度だけタイ料理屋さんに入って頼んだのですが、それきりトムカーガイの事を忘れておりました。
が、先日。
錦糸町に、人形焼きを買いに行く用事がありました。
タヌキ!!かわゆす!!
あんこみっちりの上品な銘菓です。
山田家さんっていうところです。
怪談のおいてけ堀が近いらしくて、その化かしてくるタヌキをモチーフにしてるらしいです。
そんなこんなで、うちから行くと割と交通の便の悪い錦糸町に行ったのです。
電車一本で行くには遠く、最寄り駅から数駅行って降り、都バスを使うのが一番楽らしいので、そのルートで行ってみたのですが、そこまでして行くんだから、お昼ご飯を錦糸町で食べようと思ったわけです。
錦糸町というのは東京都の東の方の、ちょっと下町でありつつ、どでかく栄えた街です。
飲屋街もたくさんあるし、飲食店も多いです。
ということで、ぐるなびのランチ、かなんかを調べたところ、あるカレー屋さんが評価が高いのがわかりました。
ここからは愚痴でございます。
ほほうなるほど、そのカレー屋さん絶対行きたい!と思い向かったのですが、初めて行く町でルートを若干間違い、遠回りしてたどり着いたところ、目の前を大学生くらいのカップルがスッと入ってきて、お店に入りました。
私も扉を開けて、あのー…と言うと、「いっぱいなんで!」と言われました。
いっぱいなんで…?いっぱいだからなんなんだ?
カップルは入れてんですよ。
ほんの1分遅かったのか!?ていうか、待ってればどうにかなるのか?
ドアの前でしばし同行者と黙って立っていたんですが、中をのぞくと、これまた大学生みたいなやつが一人で読書とかしてんすよ。カフェか。カフェ飯か!!
いっぱいなんで、っていうのは、カレー終わりましたということなのか。再度聞きに入りたいが、あの言い方をされた後また開けて「まだ居るのかよ」って顔をされるのは辛すぎる!
こういう時私がするのはなにか。そう!泣き寝入りだッ!!!
というわけで、私はそこのカレーを諦めざるを得なかったのです。
よろめいてブツブツと「錦糸町…錦糸町まできたのに…」とつぶやいていると、あまりに私が痛々しかったのか、同行者が、さっき通ったとこにあったタイ料理の店の外の看板に、トムカーガイってあったよ?好きじゃなかった?と言われました。
ぬな!?それはいいじゃないか!!ああ、ランチタイムよまだやってておくれ…!
そしてトムカーガイが終わったりしてませんように…!あと席がありますように!!
と、そのタイ料理屋に入って頼んだトムカーガイが、死ぬ程うまかったんすよ!!!!
過去食べたことがないくらいの旨さ!!
衝撃的だったので、そこからタイ料理屋さんを探してはトムカーガイを頼む旅が始まりました。
問題は、錦糸町は遠すぎるっていうことです。
そして、私の地元はアジア人がたくさん住んでいる地区なので、タイ料理のお店は結構あるんです。なので、近場でおいしいトムカーガイがあればいいなと思ったわけです。
ここからは、いろんなトムカーガイを試していく過程を書いてみます。
A.家から一番近い、こじんまりしたタイ料理屋さん
ここはマンションの1階に古い飲食店がずらっと並んでいるところで、その中でも比較的最近出来たお店です。(写真撮り忘れました、というかこんな旅になるとは思わず…)
トムカーガイにつきものなのは、1.鶏肉、2.キノコ、3.謎の食べられない葉っぱ類、です。
錦糸町の店で食べたトムカーガイは、2のキノコがフクロダケでした。
フクロダケは日本ではあまり馴染みが無い、中華料理とかによく入ってるやつで、私は結構好きなんです。
こういうキノコです。半分に割るとキノコの中にキノコがいるみたいになってます。
スーパーには基本ないので、輸入食品店とかで缶詰で売ってますね。
が、この近所のタイ料理屋さんは、キノコが〜!フクロダケじゃなくて、ぶなしめじなんだよな〜!!!
なんか違う、味は似てるけどなんか違うんだよ〜〜〜!!
あと、すこし水っぽいかな?コクとか酸味が少ないなーって感じでした。ちょっと錦糸町のほうを見つめてセンチメンタルな顔をしてしまいますな。
ただ、店員さんのおねえさん(タイ人)が最高に可愛くて優しくて反応良くてアイドルか!!ってくらいだった!!だから通ってるオッサン(日本人)がいるらしかったのも頷けたっす。
B.駅前の商店街のほうのタイ料理屋さん
最近、居抜きで出来たお店なんですね。ランチタイムに一度行ったら結構美味しかったので、夜にトムカーガイを目指して行ってみました。
タイのビールというと、シンハービールとチャーンビールというのが有名です。
私はチャーンビールが好き!グラスはサッポロだけどね!!チャーンというのはゾウさんという意味らしいですよ!
これがこちらのトムカーガイですって。
ラー油と唐辛子が怖い…けど、まあまあ効いてる感じでした。あと、ここのはパクチーがおる!
私はパクチー実はそんなに好きじゃないんですが(香草に弱い)、タイ料理にはパクチーって合うんだなあという感想でした。結構美味しかったです。
ただ、ここもキノコがぶなしめじ!!地元じゃそれでいいことになってんのか!!
あと、ちょっとこちらもシャバシャバ感が…。
C.有楽町駅付近のガード下
地元じゃイマイチのトムカーガイにしか出会えず、しょんぼりとしておりまして、ふとある時に有楽町あたりを歩いていたら、クン!とよく最近嗅ぐ香りが!!!
ダダッと戻ってみると、680円均一価格とかなんとかをうたったタイ料理屋さんがありました!
思わずトムカーガイを狙って入ってみると…ありました!
割と雑な感じで盛りつけられた感じが値段通りというかなんというか(だいたいどこも2人前1000円くらいのもんなので)
でも、味はすごくコクがあってうま!!でもちょっとしょっぱいかな?
キノコはいなかったかもしれません。ニラっぽいのと、たまねぎがいましたね。
ちなみに、シンハービールが写っていますが、チャーンビールを頼んだはずだったんですが…まあ忙しいのでしょうがないか…
D.レトルトを発見したぞ!
これをやりはじめてツイッターにアップとかしていたら、友達から「きっと最終的に作るでしょ」と言われましたが、さすがに食材が無さ過ぎて出来ないよーと言ったところ、「カルディとかにレトルトとかあるんじゃない?」と言われ、Oh!レトルト!と思ったわけです。
タイ料理にハマり始めて、チャーンビールが好きすぎるので、通販でケース買いしようかなと思っていたのですが、どうやら缶のチャーンビールというのがあるらしく。瓶しか飲んでなかったので、缶でもおいしいもんかなーと心配だったので、まずは輸入食材店で缶のチャーンビールをゲットすることにしました。
そこで向かったのが、チャーンビールの通販もしていた『成城石井』です。ややアッパーな海外食品も扱うスーパーですね。
で、ビールをゲットし、アジア食材売り場を見ていると…!
い、いたーーーー!!!!!
しかもこれの裏面によって、今までの謎が全て解けた!!!
「トム=煮る」「カー=タイしょうが」「ガイ=鶏肉」という意味で、トムカーガイ!
タイの家庭ではトムヤムクンより食べられてるらしーです!!
今まで、なんだこの謎の食えない葉っぱは、と思っていたのは、ガランガルというタイしょうが(すっげー固いです)、枝と呼んでたのがレモングラス、ローリエだと思っていたのがパイマックルートというこぶみかんの葉、らしいです!あとは唐辛子ですね。
これ、現地の人は食べてんのかな、と思ったですが、やっぱり避けて食べないものだったらしいです。よ、よかった…避けて食べてんのをお店の人とかに笑われてたかなあと思ってたんですがwwww
レトルトで食べられるんなら安くていいわーと思って、さて、いただきまーす…
カラッ!!!!!!!!!!!
辛すぎるこれ!!!んなー!!!こんな辛いのお店で食べた事ない!!
どっちかというとカレー的な味になってます!!!が、がっかり…!!
お店だとそんなに唐辛子も入れてるやつないんだよなあ。ううう…
私は酸味勝負なので、酸味が強い方が良いので、ちょっと残念でした…
E.とうとう自作の道へ
用事があって、家から一番近いカルディに行くことになりました。カルディは輸入食材屋さんで、コーヒーとかがメインですかね?
元々友達に言われていたのもあって、期待していたんですがレトルトは無し。
…が!!!!!
右側下の、トムカースープというもの!が安く売っていたのです!!
煮る、しょうが、ですから、あとは鶏を入れればトムカーガイなわけじゃないですか!
ちなみに上にあるのはレッドカレーのスープです。
結局、例えばカレーがホワイトシチューからカレーを入れてカレー作るみたいなもので、ココナツミルクの煮物にカレー要素を入れればタイカレーになるっつうことなんですかね?
左側は、ストローマッシュルームの缶詰です…ふ!く!ろ!だ!け〜〜〜!!!
これだけあれば自作できるじゃないですか!!!というわけで、作ってみました!!
まずはスープを煮立てて具をいれる…と作り方には書いているのですが。
いつも思ってたんですが、鶏肉が生っぽいのがちょっと怖いと思っていたんですよ。
鶏のダシはすごく出るのかもしれないですが…というわけで、
↑まずは玉ねぎを炒めて、
↑一口大にした鶏肉に塩胡椒して炒めてみます。
↑鶏に焼き色がついてから、タケノコ…が入ってるのがあるんですが家に大根があったので大根を短冊切り?にして入れてみました。こちらも炒めてみます。
↑火が通った具を一度鍋から出して…
↑スープを煮立てます〜〜〜!うおー!!
沸騰してくると、おおおっ!!すごい、トムカーガイの匂いがする!!
↑具を鍋に戻し、フクロダケを入れます〜〜〜フクロダケ笑てはる〜
↑できあがりました!いただきます!!
おおおお!!!!いや、贔屓目なしにお店のよりタイプの味がする!コクがあるなー!!
具沢山にしすぎたかな?でもうまい〜〜〜!!!
これは安上がりだし、トムカースープは常備せねばならん!!!!
F.再び、伝説の聖地へ
さて、ここまで来て、さすがにふと考えることがあります。
そもそも、最初にカレー屋に入りそびれて食べたあのトムカーガイはそんなに旨かったのか?
これだけいくつものトムカーガイを経験した後であれば、もはや実はそんなに旨くもなかったなみたいなことになってたりするんじゃないのか?
というわけで、再度!例のタイ料理屋さんに行く事にしました。
それに伴い、ようやく名前とかをちゃんと調べたわけですが…
錦糸町『タイランド』、なんと
アド街ック天国でランクインする有名店だったんでした!!
食べログの口コミレポート、100件越えですよ!?
旨いに決まってるじゃないかああああああ!!!!
元々、錦糸町には昔からタイ料理のお店が多かったらしいんですが。
いやー、そうか、人生イチうめえ!と思った自分の舌もそんなに捨てたもんじゃないですね!
ここでしか見た事が無い、チャーンビールの大瓶!グラスはシンハーなんだけどな〜
これが!!!栄光の!!!!タイランドのトムカーガイです!!!美しい!!!
茶碗蒸しみたい!!!wwwww 下から火もついております。
再度食べたトムカーガイはやっぱり旨かったです!!!他とぜんっぜん違う!!
コクがあって酸味がグッとこう、パンチ効いてて最高ですー!!!
もちろん!フクロダケですからね〜キノコ!最高!!
いやはや、定期的に通おうと思った次第です。錦糸町、遠いぜ…。
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