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うん・・たしかに せいいきを おかすことは つらい・・・
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    ファイアーエムブレムの絵を描いたりサイトをやったりしています。
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    FEの世界観を愛しています。
    映画と本が好きです。
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    いやー…感慨深くおります…しみじみ…
    大変長い事かかって、13冊の児童文学を読み終えました。
    「世にも不幸なできごと」シリーズです。
     
    1415940991325641.png
     
    そもそも、どうしてこの本に出会ったかというと、3巻分を実写化した映画がありました。
     

     
    この映画が素晴らしくて素晴らしくて…!!
    そもそも、私はとんち話みたいのが好きなんですよ、知恵でピンチを切り抜けるような話っていうんですか、グリム童話でもケルト民話でもいいんですけど、三人兄弟の上二人が負けちゃった魔女とかゴーレムとかを、一番下の弟妹が機転をきかせて勝つ話とか。地獄の閻魔さまをとんちで言い負かせてやり込めるとか。特に集団の中で弱い存在、子供だったり、ちょっと疎まれてたりするキャラクターだったりが、集団の中で唯一聡明に世界を見ていたりするとたまらんです。
    オタクがオタクの知恵で勝つ話とかもそういう意味で最高です。

    オタクがオタクの知恵で勝つ最高峰の話といえばこれ
     

     
    スタートレック?風?のギャラクシークエストというテレビドラマを教典としている宇宙人に、自分たちの星の危機を救ってほしいと宇宙へ拉致された俳優たちのドタバタコメディで、俳優たちを助けるのはそのドラマのオタクたち!宇宙船内部の構造とかをやってる俳優よりスラスラ答えるところがオタクとして胸がすく!!www
     
    集団の中の弱者だけが真実を見抜く話で大好きなのはこれ
     

     
    ヒックはバイキングの仲間たちの中で一人だけひょろりと細くて、お父さんはしかも一番強いリーダー。いつも後ろ指を指されながらも、自分は工夫して道具を作ったりしてその精度を高めていたら、誰もまだ捕まえたことがない強いドラゴンを射止めてしまう…という話ですよ。
    もう何度かブログで言ってるかもしれない最高に熱い映画です!!未見の方は是非!!
     
    今更ですが、弱者だけが偉業を成し遂げる術を持つ映画といえばこれ!
     

     
    私が指輪のどこが一番好きかって、ここなんですよ!ホビット族という極めて素朴で陽気で悪意を持たない種族の、単なる若者であるフロドだけが、世界を征服する力を持つ指輪を所持し、火山に捨てる事が出来るという部分が最高なんです!!他の話なら、選ばれし勇者が特別の力を持ってその指輪を使って勝つのが普通じゃないですか。RPGの祖と言われているのに、弱い者が権力を捨てに行く話だ、というのがぐっときて…!!いわば巻き込まれたような形でこの偉業を成し遂げるフロドが、指輪を所持して何度か指を入れてしまった代償を払うことになるラストシーン、泣いたなあ…!これ語り出すと長いのですがwww
     
    そんな、「圧倒的に不幸な立場の子供たち3人が、大人をやりこめ、ピンチを切り抜ける話」であるのがこの「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」という映画であり、原作の「世にも不幸なできごと」全13巻なのです…が。
    映画だけで抱いた印象とは、まるで違うところに着地する最終巻に、ぼーっと思いを馳せている数日です…。そんな話を、長々と書いてみようかと思います。ネタバレは基本気にしないでいきます。
    折り畳んでおります、お暇でしたらぜひ。

    拍手ありがとうございます!!


    拍手[13回]


     
     
    「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」という映画が日本で上映されたのが2005年、その時に、原作の「世にも不幸なできごと」シリーズは9冊ほど出ていて、まずそれを一気に入手したのですが、ハードカバーの児童文学をごっそり入手しても、なかなか一気に読み進めるでもなく、積ん読になってしまいました。
    本国アメリカでは、2004年に映画が上映され、原作は1999年から出版、2006年に最終巻である13巻が発売されています。wikipediaによれば、全世界で3000万部売れているそうです。
    日本では、2008年に最終巻が発売されて終わっていたのですが、積ん読ですっかり放置していたもので、最終巻が出たことも知らないままでした。先日ふと気がついて、そういえばあれ終わったのかなあ?とかいってこの2014年になって調べたら、そらとっくのとうに終わっており、なぜか最終巻だけ金額が暴騰していました。


     
    (欲しい人が極端に少ない売買の世界で、私が一冊買うとすごい値段が変動するのに驚いております、私が買った時は4500円くらいでした!定価1600円くらいなので、すごい高い!)
    なぜ最終巻だけ暴騰しているのかというと、どうやらっていう予想ですが、最終巻が発売された頃、このシリーズを出版していた出版社が倒産し、立て直すことになって利益の上がらない部門を切ったようで、どうやらこのシリーズはその切られる方に入っていたらしく、初版を少部数だけ刷って絶版になってしまったようなのです。
    というわけで、謎が謎を呼ぶ物語の最終巻が、日本では入手困難になっているという現状を見るだに、こりゃあハリーポッターやダレンシャンみたいにヒットするわけがないなあ〜と思うわけです。映画もそんなにはヒットしませんでしたしね。
     
    冒頭に書いたように、私は弱い者が知恵でピンチを切り抜ける話が好きです。
    この、世にも不幸な出来事シリーズの主人公は、ボードレール家の三姉弟妹です。
    長女のヴァイオレットは天才的な発明家で、思考の妨げにならないようにリボンで後ろ髪を結んだらそれが発明中のサインで、数々のピンチを切り抜けていきます。
    長男で二番目のクラウスは、本が大好きな男の子で、自宅の本はすべて読んでしまいほとんどを記憶しています。たくさんの知識で状況を好転させていきます。
    一番下の次女サニーは、まだ赤ちゃんで、言葉もうまく話せませんが、鋭い前歯でなんでも噛んでしまいます。それがあらゆるピンチの時に役立っていきます。
    この、足りているようで足りていないような危うい姉弟妹たちに、ある日不幸が襲いかかり、自宅が放火されて両親が亡くなってしまいます。
    そこにやってくるのが、もう一人の主役と言っていい、オラフ伯爵です。三姉弟妹の遠い親戚と偽り、財産を狙って執拗に追いかけてくるのを、子供たちは発明や知識や前歯で切り抜けていきます。それが、何冊も続いていくわけです。
    最初は、これは私好みの本だなぁとしみじみ思いましたし、映画の役者の子たちがとてもかわいいので、それを頭に入れて想像しながら読み進めるのもすごく良かったです。なにせ、オラフ伯爵なんか、ジム・キャリーですからね。漫画の悪役みたいに表情をくるくる変えて声色を使って追い掛けてくるのとか最高です。オラフは変装の名人なので、子供たちはすぐに見破れるというのに、子供たちを庇護している大人がすっかり騙されてしまうあたりも、志村うしろうしろ!感があってとてもモダモダして歯がゆく楽しいのです。


     
    そもそも、この物語の冒頭から、というか、13巻通して必ず前書きには、この本はとても不幸な物語が綴られているから、いますぐあっちの平和な物語しか書かれていない本を手に取り直しなさい、とか、すぐこんな本を置いて逃げろとか、そういうことが書かれているのです。

    絶対見るなよ、って言われて見ないで済ませられる人はあまりいないわけです。しかも子供だったら特に。語り手は作者のレモニー・スニケットですが、彼が追っ手から逃げながら、三姉弟妹の足跡をたどっていく風に仕上げられていて、最終的には、レモニー・スニケットは劇中の登場人物となるわけです(実は、ダニエル・ハンドラーという小説家・脚本家が作者で、レモニー・スニケットはペンネーム)。レモニー・スニケットは、とにかく悲惨なことばかりに出会う三姉弟妹の物語を鬱々と語り、毎回ピンチを華麗に切り抜ける部分はさらりと描写していて、それがこの本の面白さになっています。爽快感はあるけれど、とにかくずっとためいきまじり。児童文学でこんなことでいいのかな?と一瞬思ったんですが、子供の時って、怖かったり、暗かったり、ぞっとしたり、悪い奴が強かったり、悪がはびこったりするものって好きじゃないですか。大人が読ませたい本は明るくて元気いっぱいで美味しいものが出て来たりする、ひなたの匂いのしそうな本かもしれないけど、小公子だってああ無情だってハイジだってガンバの冒険だって、じめっとしてて暴力に強いられて犯罪の匂いがしたり病んでたりどうしても勝てない相手がいたりするじゃないですか。ああいうのがいいんですよ、子供の頃って。

    なので、予防線としてずっと「この物語は不愉快に終わりますよ」と言われているので、12巻までで壮大に張られた謎や伏線の回収が13巻できっちり済んで大団円といくかといわれると、そんなにうまくはいかないだろうなあと思っていたのですが、想像以上にまったく回収されなくて驚きました。両親が誰に殺されたのかすらすっきりしないし、物語の途中で三姉弟妹が出会う(どうやら両親も所属していたと思われる)V・F・Dという謎の組織が、敵か味方かもよくわかりません。最後には、オラフ伯爵すら敵ではなかったのかもしれないという流れに。
     

     
    最後にまったくすっきりと子供たちを「成就」させない終わりは、子供たちの道中の葛藤こそ物語の核であり、謎や、わかりやすいキーワードなどは本題ではなかったということなのでしょう。
    では、子供たちは何を葛藤するのか。8巻あたりから如実になってくるのですが、「自分たちのしていることは悪いことではないのか?」ということです。
    1巻からしばらくは、子供たちはただ可哀想な被害者で、オラフというわかりやすい悪党がいて、それを全力でやり込めることに何の迷いもないわけです。それが、途中から「自分たちが良い事だと思ってやった事が盗む事だったり犯罪だったりするのではないか?」と悩むようになっていきます。例えば自分たちのことを書かれたファイルを読むために、ある書庫へ忍び込む必要があり、鍵を偽造して悪党ではない書庫の番のおじいさんを騙す、ということが、自分たちの中では必須で正しい行いであっても、第三者から見れば悪党の所行なのではないか?必ず正しいと思っていたものの裏側に、悪い行いが潜んでいるのではないか?子供たちはそれを悩み始めます。
    弟クラウスの初恋相手は、唯一の血縁者である兄を選んで悪党たちと一緒に旅立ってしまったり、人質をタテにとって取引するのは正しいことなのかと悩んだり、割り切れない時にも選択しなければいけない瞬間が確かにやってくるわけです。この、割り切れない葛藤こそ、人生には多く存在することだし、レモニー・スニケットが子供へ伝えたいことなのではないかと思うのです。

    サニーという一番下の赤ちゃん(途中から2才くらいになり会話がきちんとしてくるんですが)は、作中、的を射た単語を発して会話することがあります。
    ---(引用)
    「でもオラフがスニケット・ファイルをもっているなら、その安全な場所がどこにあるのか、どうやってつきとめるつもり?」ヴァイオレットはサニーにたずねた。
    またはり」ー「ここにあたしがのこれば、スパイ活動してつきとめられるよ」
    ---
    またはり、は世紀の女スパイと呼ばれた人物の名前で、その一言で、スパイ活動をするよという意味を表す、といった具合です。
    13巻で、オラフ伯爵と子供たちが会話するシーンがあります。
    ---(引用)
    「果物なんぞいらん。おれさまがほしいのは、おまえらの両親がのこした財産だ」うなるようにいうと、オラフは胸をおさえたままおきあがろうとした。
    「財産がここにあるわけないでしょう。このままじゃ、わたしたちのだれも、そのお金を見ないままになっちゃうかもしれないわ」
    「たとえここにあったとしても、このままじゃ、お金をつかう楽しみはあじわえないよ」クラウスがいった。
    まくがふぃん」サニーがいったのはこんな意味だった。「この場所にいたら、あんたの計画なんかなんの意味もないんだから」
    ---
    マクガフィンというのは、ミステリー映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコックが提唱したと言われる物語の構成要素の用語で、こんな風に説明したそうです。
    「私たちがスタジオで 『マクガフィン』と呼ぶものがある。それはどんな物語にも現れる機械的な要素だ。それは泥棒ものではたいていネックレスで、スパイものではたいてい書類だ。」
    (Wikipediaより引用)
    要は、物語の登場人物にとっては、重大で、大事で、物語の推進力になるような重要なアイテムや動機は、全体的な物語の構成という角度から見れば何でも良くて、入れ替え可能なものだという話です。
    ファイアーエムブレムで例えると、っていうのもなんですが、オーブ集めとか、エムブレムってもの自体、各地に探しに行ったり敵と対峙する要素としてのマクガフィンだといえるわけです。
    サニーのセリフがいつものように的を射ているとすれば、私が映画を見て、ジム・キャリー演じるオラフ伯爵が、ずっと財産目当てにひどいことを続けるのを、憎たらしく憤慨していた事自体、マクガフィンだったのであって、子供たちが協力して切り抜ける過程や、大人が多くを語らずに子供は分からないことが多いまま受け入れざるを得なかったり、善悪のはっきりしないことを割り切れないまま悩み続けることなどが、本当にこの物語が伝えたいことなんだ、ということなのではないでしょうか。
     

     
    賛否のある終わり方なのは間違いないのですが、最後に三姉弟妹ともう一人が旅立っていく前向きな終わりはとても希望のあって、私は嫌いじゃないです。
    子供たちにはこれからも不幸が襲いかかるかもしれないけれど、あの子たちならきっと大丈夫だろうと思わされるし、子供時代に解けなかった数々の謎を、子供たちはこれから自身の手で解き明かしていくんだろうと思えるのです。
    しかし、ずっとずっと暗い展開で最後まで読者を煙に巻き続けたレモニー・スニケットの手法には脱帽です。あーあ、日本でももっとみんなが簡単に読めるようになればいいのになあ!!!

    うちの甥っ子が大きくなったらぜひ読ませて、人生が甘いことばかりじゃないってことをわからせてやりたいものです。

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